2008年11月20日木曜日

タイガー&ドラゴンにみる、落語オタク。

「泣かせてぇんじゃねぇ、笑わせてぇんだよ」

俺の、俺の、俺の話を聞けー、で有名な
宮藤官九郎脚本「タイガー&ドラゴン」を、夢中で観ていました。

小学生の頃、NHKの「南総里見八犬伝」を観るために、
外で遊んでいてもダッシュで家に帰ってTVにかじりついていた、
あの時と同じような気持ちで、毎週、毎週楽しみにしてました。

何が面白かったかと言えば、いろいろあるのですが、
第一に、落語オタクの生態がうまく描けていたところ。

尾美としのり扮する落語オタクが、寄席へ行く。
噺に入る前の四方山話「まくら」で、これから話す落語のタイトルを推察する。
「芝浜、だねー」得意満面で言う。噺が始まると、
「ほらー、芝浜だろー」とまた得意満面。

これが、自分でもできるようになりたい、と麻生芳信の「落語百選」を
春編、夏編、秋編、冬編買い込み、すべて読みました。
寄席では、まくらの話の内容と季節、噺家さんの得意分野から推察。
「これは、野ざらしでしょう」なんて心の中で呟き、手帳につける。
これが、ようやくできるようになってきたある日、
「あれ?話が変わった」という現象に出くわしました。
実は、噺家さんには、自分が本題に入った時、客席で
得意満面で手帳にメモる落語オタクが見えているんですって。

「そうは行くか」と、変なプロ根性で、
噺を急に変えたりなさるのだそう。

プロが嫌だと思う事はするまい、
と以後は噺の途中でメモる行為は慎んでいます。

素直に、気楽な気持ちで、
俺の、俺の、俺の話を聞けー。

これが噺家さんの、心の叫びでしょうか。

2008年11月19日水曜日

12月といえば、芝浜です。

クリスマスツリーが街にあふれ出す頃。
ああ、今年も「芝浜」の季節がきたか、としみじみします。

「芝浜」といえば、円朝作の三題噺ですね。
飲んだくれでどこか憎めない亭主と、愛情深く賢い女房。
物語の大どんでん返しの鮮やかさもさることながら、
夫婦のむつまじさとサクセスストーリーの心地よさで、
年の瀬に一度は聴きたい名作落語だと言えます。

三代目の三木助が得意としていた大根太ですが、
鈴本で息子の四代目三木助で聴いたのが初めてでした。
淡々と演じていらして、通の方からは「下手」なんて
評価もあったみたいですが、何人もの噺家さんの、
それぞれの解釈の「芝浜」を聴いた今も、
三木助さんの「芝浜」は忘れがたい味がありました。
その後、三木助師匠はお亡くなりになりましたねぇ。。。
偉大な父親を持つと、苦しいものなのでしょうか。
喬太楼師匠に、三木助師匠のおかみさんにどことなく似てる、
と言われたので、三木助師匠のことは、
今でもなんとなく、気になっちゃってます。

ということで、私の書斎には、三木助の提灯があります。

今年の「芝浜」はどなたで聴こうかなー。

暮れの楽しみの一つです。

2008年11月17日月曜日

笑ったり、泣いたり、したいんです。

12年前、古今亭志ん輔さんの落語を聞いて以来、落語オタクとなりました。
落語オタク、という響きは大変、芳しくないので、勝手に「オチ・オタ」などと命名。
パリ・コレ風の味付けを施しております。

さて、仕事の合間を縫って1ヶ月に1度は、居酒屋落語やホール落語、寄席に通ってます。
数えてみたところ、1年間でちょうど100席聴いたことになるようです。
今年は少ない方なんですねー、これで、、。
なんか研究してるわけではないです。
ただ、ただ笑ったり泣いたりしたいがため。
地方出身のばりばりワーキングウーマン(鬼)としては、
たまには「あったかい」ところに触れたいんですねー。

ということで、聴いた落語やひいきの落語家さんのこと、
思いついたままに、書いてみたいと思います。